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清く正しく美しく生きたいと願う、小市民の日記
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高瀬舟
テレビで深夜に放送された古い映画の『高瀬舟』に見入ってしまいました。
今どきの、人工呼吸器を外すと、殺人犯になるというのといっしょでしょうか?
安楽死の問題です。
けがをして働けなくなった弟が、自殺を図るが死にきれず、兄に早く殺してくれと頼むというストーリーです。
文豪、森鴎外の作品です。
高校生の頃に読み、大人になって京都に行った時、偶然高瀬川をみつけました。
これが、あの高瀬舟の川かと、見入ったものです。
若い頃に読んだ本の内容は、忘れないんですね。
何気なく途中から見た映画のストーリーで、これは高瀬舟だと気がつきました。
お役人の人情に泣きました。
罪人になり、島流しになる兄に甘酒をふるまってくれた、優しい心に涙がでました。
人に対して、温かい気もちを持ってあげられる人はすばらしいです。
現在も安楽死の問題はあります。
病院で身内が重篤のとき、人工呼吸器のことを確認させられます。
付けたら、二度とはずせないと・・・・
外すと、その医者は罪人になるのでから。
人工呼吸器を付けないと生きられない状態で、誰が付けない指示などできますか。
その反面、長い闘病生活での脳死状態が延々続くと、経済的なことなど家族の負担は大変なものになります。
安楽死は、今も昔もむずかしすぎる問題ですね。
でも、兄の弟を思う心と、自分の状況にいつも感謝していることに感動しました。
島流しでさえ、ありがたいと言っていました。
働かないのに、三度三度のご飯とお金までいただいたと感謝していました。
登場人物のお役人さんも、兄の心の美しさに感動していました。
さすが、文豪、森鴎外です。
あの短い作品の中に、どれだけのものが詰まっていることか・・・
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